8.倒産への不安

私が土地を購入、建築請負契約を結んだ3日前に「建築基準法」が改正されました。世間では耐震構造の偽装で建築がストップした建物や、すでに生活を始めている不動産物件に不適合の判定が下り、取り壊しが必須とされ、多くの犠牲者が出ました。そういった不正を正すためにも、建築基準法の改正は喜ばしい事だと思います。しかしその結果、思わぬ大事態が建築業界に巻き起こったのも事実であります。
何故かと言いますと、一定規模以上の建築物において、その建物、構造に適合性判断機関の審査が必要となったのです。建物を建築する場合、「建築確認申請」というものが必要となります。この申請時に構造計算書などが必要になったため、申請にかなりの時間がかかるようになってしまったのです。申請に必要な様々な書類も、今までと違ってより細かく、膨大な量が必要になったのです。また、今まで認められていた、軽微な変更や追加も全くと言っていいほど認められなくなり、再提出が必要になった場合には、さらに時間がかかるといった弊害が出てきたのです。木造建築の3階建て、鉄筋コンクリート住宅などが、その弊害を顕著に受けたのでした。今まで通常10日位で下りていた建築確認申請が数ヶ月かかったり、半年たっても下りなかったり予想を遥かに超える事態で、建築会社や施主のスケジュールが足止めされました。総合的に見て、法改正は必要な判断です。しかし、この事で起ってしまう弊害について深く考えられずにスタートした法改正であったことは確かなのです。
実際、建築確認が下りないと何も出来ないのです。社員や支払いを抱えた企業の運営に一番の大ダメージです。この事で沢山の会社が倒産の危機になり、そして倒産していったのです。
そんな最中に不動産契約をした私達なので、スタートから倒産の不安が芽生えてしまったのです。私達の建物は二階建てだったのですが、この建築会社は三階建てを得意とし、数多く建築していたからなのです。
そんなご時世の中、この会社では不思議な現象が次々と起っていたのです。それは急激な店舗展開です。
私達が契約をした時、支店は2店舗でした。しかし、そこから毎月5,6店舗ずつ支店が増えていくのです。大々的にキャンペーンをしてお祭り騒ぎです。ホームページを見ると、数年後には100店舗を目指すと書いてあり、素人ながら懸念と疑問を感じていました。次々と新しいビルに支店が出来ているのです。六本木のビルに本社を移転するなどとも言っていたようです。
ホームページに社員の名前と似顔絵、役職などが掲載されているのですが、社員達はあちこち大移動。数週間単位での昇格降格、退職者も続出で見ていて驚きの毎日でした。テレビCMも始まり、放映回数もどんどん多くなっていたので傍からは、もしかして順調に見えていたのかも知れません。
私達は別に社員に友達や知人がいたわけではありませんが、ホームページで知る状況だけでも、不思議に感じ、インターネットで検索をすると恐ろしい事が起きているなんて投稿も沢山出てきました。
そして、私の担当営業マンもある日突然何の挨拶も引継ぎもなく退職していました。普通に考えたらあり得ない事だと思います。
私達が契約をする前、インターネットでこの会社の情報などを集めようとしましたが、たいした情報は得られませんでした。しかし、急激な店舗展開やCMのお陰か、様々な情報が流れて、悪い噂なども沢山目にしました。しかし、これまた半信半疑です。もう契約をしてスタートを切ってしまったので、前に進むしかありませんでした。社会情勢と建築会社、どちらも不安を抱えながらで、引渡しが終わるまで本当に怖かったのは事実です。あまりに無知だった私達ですが、この様な状況を目の当たりにすると、どうにかして自己管理、自己防衛するしかありません。どういったおかしな言動があったかは次のページでお話したいと思います。

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注文住宅を相模原市で建てる

最終更新日:2017/11/16