3.不動産物件巡りの日々

一戸建ての不動産購入が目的になると、マンションではあまり思い描いていなかった自分の夢が一気に膨らんできました。庭が欲しい、駐車場は広く欲しい、リビングは出来るだけ広くなど。そして不動産に対する沢山の希望と予算という現実を目の当たりにしました。不動産情報雑誌、新聞広告、モデルルームを見るのが楽しくて仕方なかったですが、全ての希望にあう不動産物件は予算が足りなく堂々巡りの日々でした。予算内で希望を叶えるには妥協が必要だと知ったのは正解でしたが、希望の優先順位が定まっていなかったので、一つの不動産物件を見る度に、その不動産物件ごとに妥協点を見つける感じで気に入ってしまい、不動産販売業者の言いなりと言ってもいいぐらいの気持ちになっていたのは確かです。知識がない分、不安や不満点を挙げて見ても、言い負かされるといったら大袈裟かもしれませんが、まっいいかという気持ちになってしまうのです。こういった気持ちになってしまうのは私より、主人の方が多く、つい仮契約などの判子も押してしまった事もあります。不動産販売業者はその物件を売るのが仕事なので、デメリットも上手くメリットでカバーするトークがとても上手いのです。もちろんデメリットも納得の上での購入なら問題はないのですが、実際、不動産物件購入初心者の私達は自分の目や考えで判断する前に、その気になってしまった事が度々ありました。
仮契約の判を押した事で、本契約のリミットまで眠れなくなるほど悩んでしまった日もありました。きっとそんな不安定な状態になってしまったのには、その不動産物件に対して大きな不安があったからなのですが、冷静な判断力を失っていたのでしょう。その状況を打破してくれたのは信頼の置ける友人のアドバイスでした。私達夫婦は田舎が遠く、不動産購入において両親や親戚の助言は得られない状況でしたので、一戸建ての不動産をすでに購入して暮らしている友人のアドバイスはとても説得力がありました。
実際に仮契約の判を押した不動産物件を、本契約の前に友人同伴で意見を聞いてみました。やはり私達が不安に思っていた事を指摘してくれて、担当者にも様々な質問をしてくれました。沢山の不動産物件を見て購入した友人の質問や着眼点は鋭く、担当者の曖昧な答えや誤魔化し、誠実ではない態度にすぐに気付き、購入は止めたほうがいいと助言してくれました。実際、完売後しばらくして、その一戸建ての南側にマンションの駐車場が事前の説明とは異なった立体の迫りくる形で建築されたのを見て、この不動産をキャンセルして本当に良かったと胸を撫で下ろしました。
次に候補になった不動産物件は価格の面で不安が大きい物件でした。担当者はベテランらしく、様々な資料や住宅ローンのパターンを手に懸命に説明してくれたのですが、それは私の希望するローン形態とは違っていたので、私は購入するつもりはありませんでした。電話、訪問、熱心な勧誘にまたまた主人はその気になってしまい、いつのまにか営業の方について、私を説得する有様でした。ご両親からの援助はないのか、働くつもりはないのかと、かなりプライベートな事まで言われて嫌な思いもしました。さらに、難を挙げていったらキリがないし、何時まで経っても不動産は購入出来ないから総合的に良ければそれでよしの姿勢の主人が本当に腹ただしく、幾度となく喧嘩もしました。

結局、私達の一番の問題は夫婦間できちんとした、不動産購入についてのビジョンやプラン、優先順位が明確にされていなかった事に尽きるのです。不動産が早く欲しいという思いが先走って、大切な話し合いが後回しになり、あれやこれ見学はしていても、充実感がなく自分自身の感情の管理が出来なくなっていたのです。

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2017/11/16 更新